体験者の声

脳性麻痺施設でのボランティア体験談

私がオーストラリアに行こうと思ったのは、「他の国の福祉の現場を見てみたい」と思った事がきっかけでした。ボランティアコーディネーターのバーンズさんに話を聞いてみると、脳性麻痺施設のボランティアに行くことができると知り、最初にホームステイをしながらその施設に行くことを決めました。

オーストラリアに到着してから3日目、右も左も分からないまま、実際にデイサービスの施設にいきました。あいさつとYes/Noくらいしか英語が話せない私にとって、初日は非常に不安でした。まず、何をしたらいいのだろう。そしてスタッフにいろいろ訪ねられても、ちんぷんかんぷん。自分の居場所がない・・・そんな風に感じた初日でした。日本と違って、これをやってとかここで見ててなど、何も言われずただ放置されるだけ。自分から動かないと、何も始まらない、そんな風に感じました。とにかく私は何かをしたい、そう思ってもなかなかそれを伝えられませんでした。しかし、2日目3日目と時間が経つにつれて、1日の流れや利用者さんの特徴なども分かってきて、また話すことだけがコミュニケーションではないと思うので、利用者さんが行っている作業活動を通して、自分なりに利用者さんと触れあい、そして助けてもらいながら、日々を過ごしていきました。

1日の流れは、利用者の皆さんがそれぞれバスで到着したら、まずティータイム。そのティーを作ったり、または介助したりしました。それから、午前中のアクティビティです。それはその曜日によっても異なり、また利用者さんによってもプログラムが決まっていたので、私は様々なアクティビティに参加しました。料理やパソコン、絵画、クラフト、ボールゲーム、テーブルゲーム、ガーデニング、ドライブそして時には水泳を行う方もいて、その水泳施設に一緒に連れて行ってもらいました。それから、昼食です。昼食はそれぞれ一人ひとりがランチを持ってきます。オーストラリアは学校もそうですが、こちらは給食ではなくランチ持参が一般的だそうです。日本のデイサービスはほとんどが給食なので、少し違和感を覚えました。そのランチを温めたり、皿に移し変えたり、一口大に切ったりして、介助の必要な方の食事介助を行いました。午後は非常にゆっくりとした時間で音楽を聴いたり、歌を歌ったり、そしておむつ交換をしたり。そして2時過ぎから3時くらいで利用者さんは帰宅します。ボランティアの最終日、アクティビティが料理だったので、私はみんなにカレーを作りました。日本のカレーはみんなに喜ばれました。
また月に一度、金曜日の夜に音楽祭が開かれます。趣味で音楽活動を行っている人や、ダンスを行っている人、ここの施設以外の人など様々な人が来て、それらを披露します。後半には音楽に合わせてダンスを行い、非常に盛り上がります。またそこでホットドッグなどの軽食も食べることができます。

ここの施設は非常にゆったりとした時間の中で、みんなが助け合いながら生活していると感じました。そして、私もスタッフの方を始め、利用者さんにも非常に助けられました。ほとんど英語が話せない私をみなさん優しく受け入れてくれ、そしてたくさん笑わせてもらいました。日本にいるときにも感じた脳性麻痺の方、独特の話し方を聞き取ることは最初は非常に難しかったですが、ゆっくりとした話し方なので次第に分かることも。

現在、私はこの施設を離れ2ヶ月が経ちましたが、先日少し足を伸ばして月一度の音楽祭に参加してきました。久しぶりに会った利用者さんも私のことを覚えていてくれ、またスタッフの方にも前よりも私の英語が以前よりも上達したと言われました。本当に嬉しい限りです。ここでの出会いを大切にして、益々オーストラリアでの生活を満喫して行きたいと思います。